最近のスマホって何でもできると思いませんか?
電話やメールは勿論のこと、ゲームや読書、動画など。
SNSの発達は目覚ましく、FacebookやTwitter、Instagramはスマホ必須アプリになっています。
最近音声だけの新しい形のSNS、Clubhouse(クラブハウス)も話題です。
(パパ・ママはAndroidなのでまだ使えませんが…)
ものように、毎年魅力的なアプリがリリースされますので、スマホ依存度も高まっている傾向です。
その一方で問題視されているのが「子どもの本離れ」です。
社会問題化する子どもの本離れ
子どもの本離れの問題は社会問題になっています。
何が一番問題になっているかというと、
幼児期における親子のコミュニケーションの欠落に繋がる恐れがあることです。
親子のコミュニケーションが不足すると、子どもの健全な発達に弊害をもたらします。
例えば、コミュニケーション不足になると子どもの心のなかでこんな気持ちになってしまいます。
ママに話したいけど忙しそうで話しかけづらい!
どうせ話を聞いてくれない!
こんな事を考えてしまって、子どもからの会話も少なくなると、さらに悪循環になってしまいます。
そして、家庭でのコミュニケーションがうまくいかないことは、将来子どもが社会に出てからも問題を引きずります。
いわゆる「コミュニケーション障害」です。
周りとのコミュニケーションが上手くいかないことで、社会に出てからの立ち回りができずに周囲から孤立したりトラブルになったりしかねない状況になる可能性も否定できません。
もちろん、全ての原因が親子もコミュニケーション不足ということは無いのかもしれませんが、多くの凶悪事件の背景には親子関係が上手くいっていなかったケースは少なくないように感じます。
そこで、将来のリスクを減らしたり、本離れを防ぐためにも、親子のコミュニケーションを深める「絵本の読み聞かせ」が大切になってきます。
父親の絵本の読み聞かせによる効果とは?結論
- 絵本の読み聞かせは、遊びの一環。
- 父親が選ぶべき本は母親から敬遠される傾向にあるテーマ(尾籠な話・残酷なテーマ・ワイルドさ)。
家庭での絵本の読み聞かせ率
家庭での読み聞かせの実態調査では、4ヶ月の乳児の居る家庭では6割、2歳児の幼児では9割の家庭が読み聞かせていると回答しています。
近年では、子育て家庭において絵本の読み聞かせの関心は高まる一方で、ほとんどの家庭で行われています。
読み聞かせは、学力向上や読書が好きになるなどのメリットが多く、教育にも効果的ということが認知されているからこその高水準なのかと推測できます。
家庭での父親の読み聞かせ率
近年では、子育て家庭において絵本の読み聞かせの関心は高まる一方で、ほとんどの家庭で行われています。
では、父親の読み聞かせ率はどのくらいあるのでしょうか。
上のグラフでは、「父親or母親」の項目が24.5%、「父親」3%で、父親の割合が比較的多いと安心した親御さんは間違いです。
「父親or母親」と回答したところは母親の読み聞かせ割合が大部分を占めています。
実際のところ絵本の読み聞かせを行っているのは、母親がほとんどだということが分かります。
読み聞かせに苦手意識を持っている父親
父親の読み聞かせ率が低いのには大きな原因があります。
それは「読み聞かせの苦手意識」です。
父親100人に対して「家事・育児の関わりや読み聞かせについて実施したアンケート」結果で、
父親が関わっている家事・育児の第3位に読み聞かせが挙がっています。
その中で、「読み聞かせが好きだ」と回答した父親は28%、「読み聞かせが得意」が21%、「どちらとも言えない」が半数以上と低い数値に留まっています。
アンケート回答の中には、
- 自分にはできない
- 何が面白いかわからない
- 面倒くさい
こんなネガティブな回答が多数占めていました。
(世の中のパパさんたちのイメージってこんなんですよね…)
でも、子ども達の成長には、父親の読み聞かせは必要です。
読み聞かせは特別だと思っていませんか?
父親の絵本の読み聞かせに対するネガティブなイメージの背景には「読み聞かせは特別なものだ」との認識があるからです。
変に「教育のため!」とか「何かを教えこもう」としたりすると、それがかえってストレスになり、自分にはできないと考えたり、面倒くさいと感じてしまいます。
本来、絵本のあるべき姿とは、子どもにとって遊びやコミュニケーションの1つです。
父子が一緒に楽しく絵本を読む。それだけのことです。
実際に私(パパ)が絵本を読み聞かせした時には、絵本の独特のリズムがあること、ブラックな内容の絵本などに驚かされました。
仕掛け絵本などの凄く凝った作品を手に取った時は子どもと一緒に驚いたことを覚えています。
おもわずママに報告に行きました!
絵本に苦手意識のあるパパは、読み聞かせによって、仕事のみの生活とは異なる新たな発見に感動することでしょう。
父親が選ぶべき絵本の特徴
わざわざ重い腰の父親が読み聞かせをするのですから、母親と一緒の絵本を読み聞かせるだけでは面白くありません。
「母親たちはほんわかしてかわいい絵本を選ぶ傾向にあります。」
ここはあえて残酷な設定、尾籠な話(※)、ワイルドさといった母親から敬遠されている絵本を、母親とは違った切り口で読み聞かせる工夫がポイントです。
(※)尾籠(ビロウ)な話とは、卑猥、不潔など人前で話すにははばかられる話のことです。 ちなみに、「尾籠」とはもともと「痴(おこ)」の文字を音読みした当て字で、おこがましいという意味があります。 つまり、身の程を知らず、生意気、馬鹿げているという意味です。
尾籠な話だからといって軽くみてはNGです。
絵本だとしても、その尾籠な話の中には深い意味が込められています。
よく昔話には怖い設定だったり、暴力的なシーンが描かれています。
その底辺には家父長制や嫁姑の因習に関するアンチテーゼが含まれていたりします。
母親はこのナーバスな内容を子どもに読み聞かせるべきか悩み、仮に読んだとしても「恐る恐る感」は拭えません。
それは子どもにも伝わります。
うんちや鼻くそ、おならなどの汚い話も同様に、母親にとっては読み聞かせしにくい内容でも、子ども達にとっては関心の高いテーマです。
これらの絵本も子育てに必要だから世に出回っているわけで、避けるばかりでは子どもにとって良い影響とは言えません。
そこで父親の出番です。
この決して心地よいとは言えない深い内容の本を豪快に読んであげる。
それだけで子どもたちは安心して物語に深く入り込み、絵本の中で冒険を繰り広げられます。
父親の読み聞かせの効果
怖い話を、低音を聞かせて読むと、お母さんの優しい声の周波数とは別の伝わり方をするだろう。
お父さんの膝や、肌を通して伝わる声というのは、耳だけで聞くのと違って特別な温度差がある。
お父さんの匂いとかチクチクするヒゲの感触とかを含めて読み聞かせの触れあいの一部である。
金柿秀幸:絵本で遊ぼ!-子どもにウケるお話大作戦,小学館
怖い話も父親がしているから、子どもは安心して怖がることができる。
そこに物語の大きな意味がある。
昔話にはそういうことがいっぱい語られていて、そうした物語体験を子どもの時に豊かにしている方が良い。
だからこそ父親の読み聞かせは必要である。
松井直:絵本とは何か,日本エディタースクール出版社
絵本の物語は、子どもにとって全てが大冒険であり、信頼できる大人が付き添うことで初めて心を開いて愉しめるようになります。
そして、幼い時期にある程度の恐怖体験や悲しさに耐える訓練ができることで、ちょっとした怖いことがあっても挑戦する勇気に繋がることで、子どもの世界が広がります。
それには、安心して付き添ってくれる父親の存在が必要不可欠なんです。
父親の絵本の読み聞かせによる効果とは?母親との違いを紹介!まとめ
- 絵本の読み聞かせは、遊びの一環。
- 父親が選ぶべき本は母親から敬遠される傾向にあるテーマ
- 残酷な話、尾籠な話、ワイルドさの目立つ作品を選ぶことで、子どもの知識、感性を磨く。
父親と絵本の中で冒険の旅をするということは、その時の心の共有のみではなく、大人になっても父親の子育て観や子どもに伝えたいものが絵本を通して伝わり、乳幼児期の信頼関係を構築し、父親との強い信頼関係と絆を作ります。
父親の読み聞かせは母親のそれとは違って子どもの発達に無くてはならないものです。
仕事でなかなか難しい時もあると思います。
苦手意識があってなかなか行動に移れない時もあります。
でも、一度立ち止まって子どもの顔を見てあげてください。
子どもはお父さんが絵本を読んでくれるのを待っているかもしれません。
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参考図書・文献・サイト
川井蔦栄:絵本の読み聞かせと親子のコミュニケーション,花園大学社会福祉学部研究紀要第16号(2008)
前徳明子:育児における絵本の意識と父親の役割-母親との比較を通して-,小池学園研究紀要第2号