子育ては 母乳 or ミルク で悩んでいるママに、母乳で育てるメリット5選をご紹介します。
母乳はママから赤ちゃんへの贈り物
母乳のもとは、実は血液です。
産後のママの体は、体内を流れる血液を乳白色の母乳に作り替えて赤ちゃんに届けようとします。
母乳は、乳房の中には乳腺があり、さらにその中にある乳腺葉(にゅうせんよう)という場所で作られています。
乳腺葉は細い血管で囲まれていて、ここで血液から必要な成分を集めて合成してて母乳を作ります。
母乳の凄いところは、タンパク質や脂肪、ビタミンなど赤ちゃんが成長に必要とする成分の全てが含まれている完全栄養食だということです。
さらに母乳の驚くべきことは、「我が子への完全オーダーメイドの栄養食」ということです。
これはあまり知られていませんが、低出生体重で産んだお母さんの母乳は、小さな赤ちゃんに特に必要な成分が含まれていることがわかっています。
つまり、産んだ我が子の状態を体が覚えていて、その子だけに合わせた栄養バランスを無意識で作り出しているということです。
こればかりはママの体の神秘としか言いようがありません。
そんな、ママが自分の体を削ってつくられる母乳には、栄養面だけでは収まらない、育児にとってさまざまな役割があります。
母乳で育てるメリット5選
1. 赤ちゃんを守る豊富な免疫物質!
母乳、特に赤ちゃんを産んでから、数日間出る初乳にはさまざまな免疫物質が含まれていて、この免疫物質が赤ちゃんを病気から守ってくれます。
初乳にはIgAという分泌型免疫グロブリンがたくさん含まれています。
生後間もない赤ちゃんの消化器官というのは、未熟で抵抗力が弱い状態です。
無菌状態だった子宮と比べると、外の世界はバイ菌だらけ。細菌などが赤ちゃんの体内に入るとすぐに病気になってしまいます。
そんな赤ちゃんを病気から守ってくれるのがママの母乳なんです。
また、初乳でなくとも、母乳には赤ちゃんを病気から守る多くの免疫物質が入っています。
これらの免疫物質は、細菌やウイルスから守る役割があります。
他にも、炎症を抑える・アレルギー反応を防ぐ役割をもつ物質も入っていますので、総合的に赤ちゃんのトラブルを防いでくれる役割があります。
そのため、母乳で育った赤ちゃんは中耳炎や気管支炎などにかかる確率が低いと言われています。
まだ弱い赤ちゃんを外の世界で守るのが母乳パワー!
2.赤ちゃんが消化・吸収しやすい
母乳とは、ママの体内でつくられる「赤ちゃん専用の食べ物」です。
生まれたての赤ちゃんの体というのは大人と違って胃腸などの作りが完全ではありません。
そんな赤ちゃんの小さい体でもちゃんと栄養がとれるように設計されているのが母乳です。
母乳には赤ちゃんが栄養素が最適なバランスで作られていて、さらに消化吸収がしやすいようにつくられています。
この「消化吸収しやすい」という特徴は、人工的に作られたミルクには無い特徴の1つです。
例えを1つ挙げると、母乳に含まれている鉄分は、ミルクに含まれている鉄分より消化吸収がしやすく、赤ちゃんの体への負担が少ないことが分かっています。
つまり、赤ちゃんが母乳の栄養素をしっかり取り込んで、成長するためのパワーが母乳にはあらかじめ備わっているんです。
3.スキンシップの機会が増える
母乳をあげるメリットは栄養面以外にもたくさんあります。
その1つが赤ちゃんとのスキンシップが増えることです。
よく「母乳は腹持ちが悪いから手間が掛かる」と言われますが、この解釈は間違いです。
たしかに消化吸収が良いため、赤ちゃんはすぐにお腹を空かせて泣いてしまいます。
そして、その度にママは赤ちゃんに母乳を与える必要があるのですが、これを手間と勘違いしてはダメです。
赤ちゃんに求められる度に母乳を飲ませることで、自然と肌と肌が触れあう機会が増えます。
その度に赤ちゃんはママの体温を感じて、包まれるような安心感を得ることが出来るんです。
これは赤ちゃんの精神面の安定にも役立つと言われています。
さらに、赤ちゃん自身からみれば、自分が欲しがれば、すぐに母乳が貰えてお腹も満ち、さらに安心感も感じられるということは、赤ちゃんのママに対する信頼感も高まります。
つまり赤ちゃんにとって母乳とは心の栄養剤と言えるでしょう。
また、母乳で育てることは赤ちゃんだけでなく、ママにも良い効果を与えます。
乳児保育の分野では、「赤ちゃんに触れあう回数が増えるほど、親子の愛着と信頼関係がつくられる」との報告もあります。
この愛着形成は将来的に「子どもとしっかり関わる」「子どもをきちんと見つめる」ことの第一歩となりえます。
そのため、赤ちゃん・ママ共に母乳をあげる行為というのは重要な役割を担う行為なんです。
母乳をあげる回数が多いということは、赤ちゃんと大切な時間を共有する時間が増える、良いことだと考えてください。
育児の第一歩が母乳育児です。
4.産後の体の回復を促す効果
赤ちゃんにおっぱいを吸われることで、ママの体の中では「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。
このオキシトシンは、母乳を出すために筋肉の収縮を促す作用があります。
実は、この筋肉を収縮させる作用というのがママの体を回復させる役割も担っています。
ママの子宮は、妊娠中に赤ちゃんを包むために大きく広がっていました。
子宮というのは筋肉で出来ていて、出産後に筋肉が急速に縮み、元の大きさに戻ろうとします。
オキシトシンは、この子宮を収縮させるのを助けて出血を止めることによって、産後の体の回復を早めるという役割もしてくれます。
出産後に子宮が完全に回復するには、通常産後3ヶ月~半年ほど時間がかかりますが、母乳をあげ続けることでその期間を短縮してくれることが期待できます。
ちなみに、母乳をあげることは、ママの栄養をせっせと赤ちゃんにあげる行為です。
もともとママの体は産後の授乳に備えて栄養を溜め込んでいます。その栄養を赤ちゃんに渡す授乳行為は妊娠中に増えた体重を適正に減らしてくれるという、ママにとって嬉しいご褒美もあったりします。
美容面で気にされるママには願っても無いメリットではないでしょうか(^^*
体も良くなって、ダイエット効果もあるなんておどろき!
5.最強の泣き止ませツール
母乳をあげることは赤ちゃんを泣き止ませるのに最強の方法です。
ママにとっては、いつでも人肌の暖かさで飲ませやすい上に衛生的にも安心。飲ませるのも簡単です。
しかも咥えさせれば、すぐ泣き止んでくれる。寝かしつけにも効果を発揮してくれます。
赤ちゃんにとっては、飲みやすい温度で気持ちも落ち着く、おなかもいっぱいになる。
親子ともどもメリットだらけが母乳です。
また、自分の母乳で泣き止ませる。という経験は、赤ちゃんのお世話が初めての新米ママにとって自信をつけるのに最高の方法です。
さいごに
赤ちゃんを母乳で育てるか、ミルクで育てるか悩んでいるママも多いと思います。
自分の母乳で赤ちゃんを育てることは、ママにとっても赤ちゃんにとっても多くのメリットがあります。
もちろん、色んな事情で「完全母乳育児」というのは難しいかもしれません。
我が家も最初の頃こそ母乳の出が悪く、ミルクを併用していました。
安定して出るようになってからは母乳一本で育てましたが、ミルクのストックだけは置いてありました。
「良い、悪い」ということでなく、何事もバランスが大事だと考えています。
ただ、母乳の秘められたパワーとメリットは知っておいても良いかもしれません。
乳幼児は特に気に掛ける場面が多く、目を離すこともできませんので大変な時期です。そんな時は母乳だけに無理にこだわらず、必要な時はミルクも上手に活用して忙しくも楽しい育児ライフを送ってください。