近年のスマホやテレビゲームは格段に進歩しています。
特にここ10~15年で私たちの生活にもだいぶ浸透してきました。
スマホの通信速度はどんどん早くなって、一昔に比べると格段に使いやすくなりました。
最近は5Gも始まり、さらに利便性は上がってくることが予想されます。
SNSも普及して、最近の連絡手段はもっぱらLINEを使ったり、個人の情報発信はTwitterやInstagramなどが主流です。
またテレビゲームも目覚ましい進化を遂げています。
スマホでできる多人数参加型オンラインゲーム(荒野行動とかフォートナイトなど)なんかは本当に凄いとしか言い様がありません。
そんな利便性が向上し、私たちの生活のプラットフォーム化しつつあるスマホの普及率は右肩上がりです。
電車に乗れば、乗客のほとんどがスマホを見ているか音楽を聴いています。
カフェに入ったらお客さんのほとんどの方がスマホとにらめっこしている風景は当たり前に感じます。
そんな中、街中を歩いていると、スマホで動画を見せながら歩いているママを見かけたりします。
おとなしくなるから育児が楽になる!
触りたがるから遊ばせちゃってるよ!
もしかしたら、あまり深く考えずにスマホを使わせてしまっているパパ・ママも多いのかもしれません。
実は、これらの行為は危険です。
小さい頃から過剰にスマホなどで遊ばせる行為は、赤ちゃんの発育を遅らせる原因になります。
今回は、スマホ育児による弊害と、対策方法をご紹介します。
スマホ育児とは
スマホやタブレット型端末を育児に利用すること。 知育やしつけ用のアプリやゲームを親子で利用することのほか、子どもに端末を持たせて好きなように遊ばせておくことや、親が操作しながら子守りをする状態などを指すこととのこと。
ファンファン福岡 『スマホ育児』はアリかナシか?現代の子育て環境について考えてみた。
つまり、パパ・ママが赤ちゃんを相手に直接コミュニケーションをとらないということです。
赤ちゃんにとってみれば、スマホを通してコミュニケーションをするということで、他者との関わり方に歪みが生じてしまう危険性があります。
パパ・ママ世代の保有率90%以上
総務省の平成30年度 情報通信白書によるとスマホの普及率は年々右肩上がりです。
2017年には個人のスマートフォンの保有率が60.9%
年代別では子育て世代である20~40代夫婦の保有割合は90%以上です。
つまり、赤ちゃんも生まれながらにしてスマホが身近な存在だということが分かります。
2,3歳の子どもの約2割がほぼ毎日スマホと接触している。
ベネッセ教育総合研究所,乳幼児の親子のメディア活用調査
乳幼児の時期から使い始めている!
子ども達のインターネット利用について考える研究会による「未就学児の生活習慣とインターネット利用に関する保護者意識調査」によると、未就学児のほとんどがスマホをはじめとした情報通信機器に触っていることが分かっています。
「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」によると、未就学児がスマホなどの情報通信機器を利用し始めた年齢を調査したところ、約6割が2歳までに利用開始している結果に。
そして、その半数が「ほぼ毎日使用している」と回答しました。
この調査結果を見ると、かなり早い段階から使い始めているのが分かります。
赤ちゃんの言葉の発達の時期
子どもの言葉の発達は生後2ヶ月~6歳まで
音声としての言葉は、生後2ヶ月ごろから始まります。
この頃は「あー」とか「うー」とか言葉自体に意味は持ちません。
6~9ヶ月ごろになると、ある程度言葉の意味を理解しはじめます。
1歳になる頃には意味のある単語が言えるようになってきて、
1歳半にしゃべれる単語が急増してきます。
そして、2歳になる頃には2つの単語を同時に発するようになります。
語彙数は3歳で約1000語、6歳で約6000語も話すようになります。
つまり、「言葉が発達する時期」にスマホの影響を大きく受けることが明らかになりました。
過剰にスマホと接触するとどんな影響があるの?
生後1歳~1歳半の赤ちゃんで、環境と言葉の獲得を比較した研究があります。
この研究では、
- ビデオ視聴の有無
- 親との直接の関わり合いの有無
を比較して、赤ちゃんの言葉の発達を調査しています。
結果としては、「ビデオ視聴が低いこと」と、「親との関係が密である」ことが言葉の獲得率に影響があることがわかりました。
スマホ育児の対策法を紹介
スマホ育児の弊害について見てきましたが、ここでは対策法を2点ご紹介します。
スマホ育児の自己診断サイトを活用する
上のQRコードで読みとれない場合は「乳幼児とスマホ 保護者のためのセルフチェック」
この自己診断サイトでは、
- 機器利用の時間や場面
- 情報の内容と保護者の関わり方
- 機器の与え方
- 保護者自身の知識や使い方
の各領域4問、計16問の質問に答えることで、現時点での各家庭の取り組みの適切さが簡易に自己診断できます。
スマホでも見やすいデザインで、育児のスキマ時間でも確認できるように、重要なポイントに絞って要約してくれます。
この自己診断サイトを使って赤ちゃんが置かれている状況を把握し、対策することが大切です。
赤ちゃんと濃い時間を共有する
スマホ育児によって、言葉の獲得率が低かった子どもでも巻き返せる方法があります。
それは、パパ・ママと外遊びや絵本読みなどの時間を十分にとることです。
もちろん、スマホだけでなく、テレビなどをはじめとしたメディアへの接触時間を減らすことが前提です。
このような対策をしっかりとることで、言語発達の遅れを取り戻せることがわかっていますのでご自分がスマホ育児をしていて赤ちゃんの発達が遅れがちだと気付いた時点ですぐに行動を改めることが重要です。
スマホ育児は悪影響!?乳幼児の発達を遅らせるまとめ
- 20~40代の子育て世代の約90%がスマホ保有者
- 子どもはいつでもどこでもスマホをはじめとしたメディアに接触できる環境にある
- 2,3歳児の約2割がスマホをはじめとしたメディアに子守をしてもらっている
- メディア視聴時間の長さと映像内容の質が言語発達に影響する
- 子どもの言葉を促すメディアとのつきあい方を考える
- 子どもが子どもらしい生活(睡眠・食事・遊び)を送れることを担保した上でメディア機器を有効に活用することが望ましい。
全てのメディアが赤ちゃんの言葉の発達を阻害するわけではない。
赤ちゃんの言語発達にはスマホに子守をさせるのは避けた方が好ましいのですが、メディアの全てがダメだということではありません。
例えば、テレビや動画をパパ・ママが赤ちゃんと一緒に見てそれをコミュニケーションの道具にすることは、絵本の読み聞かせと同様に、言葉の数を増やすことに役立つことが分かっています。
家庭で家族とのコミュニケーションが多い子どもほど、知的探究心や将来の夢や目標を強く意識する傾向が強く、結果として自主的な学習意欲がわき、それによって成績が良くなる傾向にあります。
家族とのコミュニケーションはスマホ育児の弊害を打ち消す力が秘められていて、コミュニケ-ションを密に取ることで子どもの成長は加速します。
今もっているスマホを一度置き、赤ちゃんと向き合ってみてください。
赤ちゃんは、あなたが笑いかけてくれるのを待っていますよ(*^▽^*)
参考文献・図書・サイト
・マーケティングリサーチ,【最新版】2019年のスマホ普及率を年代・地域・年代別に大公開!まさにスマホオンリー時代!マーケティングがこれからどう変わるべきか予想してみた。