銀行口座は大人だけでなく、未成年も作ることができます。我が子が産まれた時の記念に子ども名義の銀行口座を開設される家庭も多いでしょう。子ども名義の銀行口座は使い方によっては凄く便利だったりします。その反面、デメリットも存在します。せっかく銀行口座を開設したとしても、気をつけて使わないと思わぬ落とし穴にはまってしまうことも…。
そこで今回は、我が家の子ども名義の銀行口座の活用法と注意点についてご紹介します。
しっかり活用すれば資産形成にも役立ちます!
子ども名義の銀行口座の開設は簡単
子ども名義の口座は銀行を始めとした金融機関(信用金庫や郵便局)に行けば簡単に開設が可能です。(ただし親に限る)
必要な書類をあらかじめ用意してもっていけば小一時間程度で作ってくれます。
口座開設に必要なもの
- 親の本人確認書類(免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
- 子の本人確認書類(母子手帳 など)
- 親子関係が証明できるもの(健康保険証、戸籍謄本 など)
- 銀行印(子ども口座用)
- 預け入れ金(1,000円程度)
事前に準備しておきましょう!
口座を開設するのであれば、親が普段から利用している金融機関を利用するのが便利です。ちなみに親が口座を持っている銀行であれば、すんなりと口座開設をしてくれます。
余談ですが、我が家は親が口座を持っていない銀行に子ども用口座を作ろうとしたときに、アレコレ聞かれた経験があります。
ちなみに、銀行口座は1人1口座までのところが多いため、目的別に複数口座を作りたい場合はその分の金融機関で口座開設が必要になります。実店舗の金融機関の口座は足を運びさえすれば簡単に口座開設まで出来ますが、ネットバンクの場合は年齢制限があり、開設出来ないところもありますので注意が必要です。
子ども用口座のメリット・デメリット
子ども用の銀行口座を作ることで生じるメリットとデメリットについてご紹介します。
- メリット
- ・子ども専用のお金の管理が出来る
・子ども名義の支払いが楽になる
・金銭教育ができる - デメリット
- ・親が管理できるのは未成年の間だけ
・贈与税のリスク
・子どもが新しく口座を作れない
子ども用口座のメリット
- 子ども専用のお金の仕分けができる
一番のメリットはお金の仕分けが簡単になることです。例えば児童手当を保管しておく場合や教育資金の確保など、子育てで将来必要になることが予測されるまとまった資金を貯蓄・保管する場合、親の普段使いの口座と一緒に管理することは現実的に難しいです。
子ども名義の口座に保管することで普段の生活費と切り離して管理することで、目的別に貯蓄することができます。
生活非用口座と一緒だと使い込みが心配です。
我が家は、おチビの口座を大手の銀行で2つ開設しました。1つは、出産祝いを始め何かと両家の祖父母が孫のために援助してくれるお金をプールしておく用。もう1つがジュニアNISAを運用するための証券口座と紐付ける用です。
(前述の親が銀行口座を持っていないのに子ども用口座を作ろうとしてアレコレ言われたのはココの口座です。)
- 子ども名義の支払いが楽に
小学校に入る頃には塾を始めとした習い事をさせる機会が増えます。その教育費の支払いの歳に、「子ども名義」での振り込み支払いを求められることがあります。
仮に親の口座で支払いをする場合、毎回振り込みの歳に子どもの名前をATMで打ち込む必要があります。そこで子ども名義の口座を開設すれば、毎回の手間も減りますので便利に使うことができます。
- 子どもの金銭教育ができる
子どもが自分で口座管理をするようになれば、お金の大切さや貯蓄するための計画性などの金銭教育をすることができます。子どもであってもなにかとお金のやりとりは存在します。普段のお小遣いを始め、まとまったお年玉などの管理をすることは大切ですし、欲しいものを買う時に計画してお金を使うということを学ばせるのに子ども専用口座は活躍します。
現在我が家の子供用口座では貯蓄用・運用用と目的別に使い分けて便利に活用させてもらっています。将来的には、子ども自身で口座を管理させてマネーリテラシーを伸ばす用の口座を増やす予定です。(小学生になったら検討したいと思っています。)
そんな親も子も活用できる子ども名義の口座ですが、メリットばかりではありません。将来的に子どもが大きくなった時にデメリットが生じてきます。
子ども用口座のデメリット
- 親が管理できるのは子どもが未成年の期間だけ
子どもが未成年の期間については、親が子ども名義口座への入出金は自由にできます。しかし、成人すると原則手続きは「本人のみ」と限定されてしまいます。仮に子どもが成人した後で口座からお金を引き出したり、口座自体を解約する場合には本人の委任状が必要になります。
そのため、子ども用口座を作るときには出口も決めておかなければいけません。具体的には、口座ごと「お金をいつ渡す」のか、「仕分けが終わったら解約するor子どもに管理を引き継ぐ」のかを決めておきましょう。
- 贈与税がかかる!?
子ども名義の口座であっても贈与税がかかる場合があります。
具体的には、実質的な口座の管理者が親の場合です。このような預金のことを専門家の間では「名義預金」と言われています。預金が誰のものかは、口座の名義ではなく、実際の内容で判断されるということです。
例えば、子どもがマイホームを建てるとなったときに、親が内緒にしていた子ども名義の口座から資金を出した時に贈与税がかかったりする場合があります。
贈与税がかかる目安は年間110万円以内です。子ども名義の口座の残高が110万円以内であれば問題ありませんが、それ以上になると思わぬ税金を支払うことになりかねません。
実は、子ども名義の口座であっても子どもが未成年等で実質的な口座の管理者が親であった場合、その口座の資産は親の所有物と見なされます。
仮に、コツコツ500万円貯めて一括で渡し、その全額が贈与と見なされた場合の贈与税を計算してみます。令和2年4月1日現在法令に基づき計算します。(基礎控除110万円、税率20%、控除額25万円)
500万円ー110万円(基礎控除)=390万円
贈与額から基礎控除を引いた金額に贈与税が課されます。今回の場合は390万円となります。
次に、この390万円に税率をかけます。
390万円×20%=78万円
さらに控除額を引きます。
78万円ー25万円=53万円
なんと、500万円の相続をするために、10%以上も税金を取られる計算になってしまいます。
贈与税の税率(一般税率)
未成年の子供に贈与する場合に適応される税率です。
基礎控除後の課税価格 | 控除額 | 税率 |
200万円以下 | – | 10% |
300万円以下 | 10万円 | 15% |
400万円以下 | 25万円 | 20% |
600万円以下 | 65万円 | 30% |
1,000万円以下 | 125万円 | 40% |
1,500万円以下 | 175万円 | 45% |
3,000万円以下 | 250万円 | 50% |
3,000万円以上 | 400万円 | 55% |
一般的に贈与額が大きくなれば税率の上昇します。1,000万円以上の資産を子供に贈与できる家庭は少ないのかもしれませんが、それでも高い税金が課せられるので注意が必要です。
- 内緒の口座をもっておくと、子どもが新規で口座を作れない
金融機関で作れる口座は原則1人1口座です。もし、子どもの口座をあらかじめ作っておいて、将来子供が口座を開設しようとした際に金融機関から口座開設を断られてしまう可能性があります。
将来就職した際に、勤務先の取引機関での口座開設を求められた時に新たに開設ができないと困ったことになります。
もし、子どものためにと貯蓄してあるのであれば、子どもが成人する前に資金を親自身の名義口座に移しておく必要があります。後々の面倒な手続きが不要になりますし、なにより子どもに内緒の貯金が知られるリスクを避けられるかもしれません。
我が家の子ども名義口座の活用事例を紹介
ここでは、我が家が実際に子どもの口座をどのように活用しているのかについてご紹介します。口座は大手金融機関2行で作成してあります。
- 銀行A(大手銀行)
- この口座には原則「家計外から入ってくる資金を貯蓄という形で保管する口座」です。
例えば、親戚からお年玉やお小遣いなどの子どもの名目で頂いたものが含まれます。
ここの資金については使用予定はなく、おチビが大きくなった時にそのまま渡す予定です。 - 銀行B(大手銀行)
- この口座は、子どもの教育資金のためにジュニアNISA用に作ってある口座です。
基本資金は入れっぱなしで、ジュニアNISAと未成年総合口座に資金を補充するために開設してあります。
年に数回入金するだけなので、現在の貯蓄額・投資額が把握しやすいようにしてあります。
- 児童手当に関しては
児童手当については、銀行Bに含めても良かったのですが、運用の意味を込めてパパ名義の個人年金として運用しています。銀行Bの完全な株式投資の部分と切り離して管理しています。この資金はおチビが大学に入学する際の学費目的に保有している部分です。
あくまで我が家の活用方法ですので、各家庭にあった活用方法をして頂ければ良いのかなと思います。
子どもの銀行口座は作ったほうが良いのか?口座開設のメリットと注意点3選まとめ
目的に応じて口座を使い分けるなら作ったほうが良い!
今回は子ども用口座のメリット・デメリットについてご紹介しました。
子ども用口座を活用することはお金の管理がわかりやすくなるなど、賢く利用する分には有効です。ただし、将来子どもが大きくなった時期に適切に手続きをしなければ資金の移動ができなくなるなどデメリットの方が目立ってきてしまいます。ぜひ、有効活用して計画的に資産形成をしていきたいですね。