今回は子育て世代がよくお世話になるであろう【西松屋チェーン(7545)】についてご紹介します。
我が家もよく利用させてもらっている会社で、ロープライスな品揃えが魅力です。
身近な企業のことも知っておくと何かと話のネタになると思い、今回取り上げさせて頂きました。
王冠すずめも保有している銘柄です!
西松屋チェーンは株主優待も行っていますので、良く行くお店であれば購入を検討してみても良いのかもしれません。
ただし、長期間に渡って株主に安定配当、優待を出し続ける企業というのは、言い換えれば安定した企業業績の企業でなければなりません。
「自分が知っている企業だから」と安易に株主になってしまったばかりに、実際は経営がガタガタでいつ減配や優待廃止に巻き込まれて大損してしまった、なんてことにならないようにしっかりと見極める必要があります。
そのためにも企業分析は必要です。
特にコロナ・ショックの影響により、業績の悪化を予想して株価の下落に見舞われている大企業も少なくありません。その一方で増収・増益で上方修正している企業もあります。知っている企業だからといって安易に飛びつかず、必ず業績の健全性を調べてから、買う、買わないを決めるようにしたいですね。
時間の無い人に要約だよ!
西松屋チェーン(7545)の事業概要
乳幼児用、小児用雑貨専門店。
新生児~150㎝までの衣服(一部160㎝も取り扱い有)や、育児用品を多数揃えており、オリジナルの低価格ブランドを提供している。自社オリジナル商品以外にも大手メーカー品も幅広く取り扱っている。
ガラガラ経営といった独自の経営方針(幹線道路を避けた立地、簡素な店内レイアウト、広い通路でセルフサービスなど)で、1店舗が常時混み始めると近隣に新規出店してガラガラ店舗を維持。
2021年10月21日時点の店舗数は1,018店舗。
wikipediaより一部抜粋、改変
西松屋チェーンの優待&配当内容
株主優待制度
西松屋チェーンの株主優待は100株以上の保有で年2回1,000円相当分~の西松屋で使えるプリペイドカードです。(2月20日、8月20日)
さらに3年以上の長期保有の場合、保有株数によって追加で金額が上乗せされます。
100株の優待利回りは直近の株価が1,500円程度で推移していることから1.3%程度です。
配当金
今期の配当(2022年2月期)は24円を予定しています。
1,500円として今期の予想配当を計算すると、1.6%程度です。
総合利回り
100株保有時の総合利回りは約2.9%。
長期保有でも3.2%です。
(株価1,500円、1株配当24円、優待2,000円、長期保有特典500円で計算)
現在の利回りでは買い判断は難しい…
総合利回りで3%以上なら十分高配当の部類に入りますが、王冠すずめの「新規投資判断基準は総合利回りで4.0%以上」です。
現在の株価はコロナショックからの回復以降、高値圏で推移していますので手が出しづらくなっています。
ただし、熱狂的な西松屋ファンやよく利用する方にとっては保有しても良いのかもしれません。
その理由は企業業績です。安定した配当と優待がある程度保証されているなら保有する可能性も残されています。
そこで、少し企業情報を深掘りしてみましょう。
企業情報を調べてみた
株主優待や配当が高くて魅力的に映りますが、企業が安定して株主還元するには安定した収益が必須です。
ここでは西松屋チェーンがこれからも株主還元し続けてくれるのか考察するために情報を精査していきます。
売上高はなだらかな右肩上がりを形成しています。直近の2021年度はコロナ禍まっただ中でしたが、
コロナ禍で価格志向の強まった顧客が多く、プライベートブランド商品の売り上げが順調に伸びた。商品の仕入れ計画とシーズンごとの在庫管理を徹底して値下げ販売が減少したことで、売り上げ総利益が改善した。
商人舎 流通スーパーニュース 西松屋news より引用
当時、管理人もYahoo!ファイナンスの掲示板を追いかけて見ていましたが、低価格&感染リスクの低い「ガラガラ店舗」が好感されている印象でした。
自己資本比率
西松屋チェーンの自己資本比率の推移をグラフです。
- 自己資本比率
- 自己資本比率は会社経営の安定性(倒産リスク)を示す数値です。
自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%を占めるかを示す数値で、自己資本比率が高いほど経営は安定し倒産しにくい会社となります。
自己資本比率は一般的に40%を下回ると高リスク群と判断されます。
こと西松屋チェーンの業種は小売業で、業種別での目安は36.7%(doda「自己資本比率とは?業種別で何%くらいが目安なの?」参照)
直近の自己資本比率は57.5%と業種別の目安でも十分な自己資本を有していることが分かります。
ここ7年くらいは比率の変化も横ばいなので、安定的感がバツグンなのは高評価です。
配当性向
配当方針
当社は、株主様に対する利益還元を経営の最重要 課題の一つと位置付けており、業績や今後の出店計 画等を考慮したうえで、年2回、中間配当および期末 配当として、安定した配当を行うことを基本方針とし ております。
「第64期 報告書 配当方針」より引用
配当性向は今後の減配リスクを予測する上で重要な指標です。
西松屋チェーンの今期の配当は1円増額の24円で、配当性向は16.0%(予想EPS149.5円)です。
22021年には巣ごもり特需によって利益を大きく伸ばしたのが背景にあります。
緊急事態で保育園が休園。そのため、紙おむつなどの消耗品の需要が増加したほか、子供玩具など室内で使用する商品が好調。
Business Journal All Rights Reserved.「コロナ禍で小売り業界壊滅のなか、ワークマンと西松屋の売上激増の”不思議減少”」より引用
今後は巣ごもり特需の反動で前年同月比などのハードルが高くのしかかってきますので、動向をしっかり追って行く必要がありそうです。
●純資産配当性向(DOE)
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
2.6% | 2.5% | 2.4% | 2.3% | 2.4% | 2.2% | 2.2% | 2.2% | 2.2% |
西松屋チェーンの純資産配当性向(DOE)の推移を見ると、ここ10年くらいずっと2%台を推移しています。
低い水準で安定しているので、株主還元余力は十分にあると判断できます。
- DOEとは
- 英語表記「Dividend on equity ratio」の略で「株主資本配当率」のこと。企業が株主資本に対してどの程度の配当を支払っているかを示す指標です。配当水準を示す指標としては、当期純利益に対する配当額を表す配当性向が一般的ですが、当期純利益は変動幅が大きいため、株主還元の状況を示す指標として近年では株主資本を基準にしたDOEを採用する企業が増えています。
株主資本配当率(DOE)=年間配当総額÷株主資本×100 (%)
または、
株主資本配当率(DOE)=配当性向×自己資本利益率(ROE)×100 (%)
「三井住友DSアセットマネジメント(わかりやすい用語解説:DOE)」より引用
現状の確認と今後の展望
西松屋チェーンが今後も業績を伸ばしていく上で力を入れている校モックやトピックをピックアップしてみました。
店舗の大型化と人口集中地域への出店
より幅広い年齢層(小学校高学年向け)の商品の拡充にも対応できるように店舗を拡大、郊外ショッピングセンターへのテナント出店で顧客層を広げる取り組みをしています。
2021年 出店月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
出店数 | 3店舗 | 4店舗 | 1店舗 | 1店舗 | 0店舗 | 4店舗 | 2店舗 | 6店舗 | 6店舗 | 3店舗 |
場所 | ・大阪府大阪市 ・三重県津市 ・滋賀県守山市 | ・千葉県千葉市 ・愛知県弥富市 ・埼玉県蕨市 ・静岡県浜松市 | ・長崎県長崎市 | ・千葉県柏市 | – | ・北海道函館市 ・宮崎県都城市 ・栃木県矢板市 ・山梨県甲府市 | ・香川県高松市 ・石川県輪島市 | ・岐阜県大垣市 ・岐阜県大垣市 ・岡山県総社市 ・大阪府大阪市 ・埼玉県さいたま市 ・千葉県市川市 | ・鹿児島県肝属郡 ・北海道室蘭市 ・石川県白山市 福岡県田川市 ・東京都八王子市 ・大阪府吹田市 | ・静岡県富士市 ・鹿児島県鹿児島市 ・大阪府吹田市 |
店舗運営の効率化
作業効率改善のためにIT化を推進。全店舗へのタブレット端末の導入を完了。
ネット販売の拡大
2021年11月中旬に自社運営の通販サイトの立ち上げ予定。
店舗受け取りサービスの対象店舗拡充や西松屋アプリとの連携で、より顧客に利便性の高いサービスを提供する予定。
西松屋チェーンのまとめ
西松屋チェーンの株は「2.9~3.2%の配当を安定して受け取りたい」ならアリかもしれません。
もしかしたら今後の岸田政権の「子育て支援政策」関連銘柄として思惑が入らないこともないかも…(どっちやねん)
西松屋チェーン(7545)は、子ども服などを展開するほか、「赤ちゃんに届くDHA」などのサプリを取り扱っています。不妊治療の公的保険適応に向けた政府の取り組みが進展するというニュースが出るたびに「出生率の増加で恩恵を受ける銘柄」として株式市場で先回り的に人気化することの多い銘柄です。
ZAi ONLINE「少子化対策」関連銘柄は、管首相が注力する”国策テーマ株”!保険適応拡大が見込める「不妊治療」関連株、「出生率増加」で恩恵を受ける株など、注目6銘柄を紹介 より引用
管首相時代は国策関連銘柄にもなっていたので、引き続きテーマ株として注視していっても良さそうな気がします。
ただし、少子高齢化の進む日本では斜陽産業であることは間違いありません。今後大きく躍進する可能性は低い企業です。可能性があるとすれば、プライベートブランドの海外への販路拡大ですが、今後の成長余地は未知数です。
一方でまだ小さい子供がいる家庭ではヘビーユースになりがちですので、一定の年齢に達する期間(今後10年くらい)はまだまだ健在の企業だと思っています。
このページは管理人が行っている株主優待投資の記録用です。記事の内容も執筆時のものであり、内容の正確性は保証致しかねますので、あらかじめご了承下さい。また特定の銘柄を推奨するものではありませんので、併せてご理解の程お願い致します。