子どもの靴を買うときにどんな基準で選んでいますか?
価格やデザインだけで選ぶと、思わぬ「足のトラブル」を引き起こしかねません。
子どもの足は、発達途中で骨も筋肉も未熟な状態です。
そんな未完成の足で活発な子どもの身体を支えるのは大変!足に合わない靴を履いているとケガや病気リスクが高まります。
そこで今回は、「正しい靴を自分で選べるようになるチェックポイント」をご紹介します。
セルフチェック一覧表
未熟な足の機能を補助する役割のある靴を選びましょう。
留め具 | つま先 | 高さ | カカト | 足首 | 靴底 | |
機能 | 足と靴の固定 | 指先の保護 | 足首の固定 | 衝撃吸収 カカトの固定 | 足首の保護 足首の固定 | 衝撃吸収 足裏の保護 |
ポイント | マジックテープ | 適度な幅と高さ | ハイカット | ぐらつき の有無 | 肉厚 | 適度な硬さ |
目視チェック | 2本タイプ | 丸み 方向 | ハイカット | 垂直 | 生地の素材 | 屈曲部が前1/3 |
試着チェック | 着脱の簡便さ | 捨て寸 成長寸 | くるぶしが隠れる | 左右に歪まない | 左右に歪まない | つま先立ちで の屈曲位置 |
未熟な足に合わない靴はケガの原因
- 代表的な足のトラブル
- ・外反扁平足
・凹足
・外反母趾
・内反小趾 - その他にも「靴ズレ」「足指の筋力未発達」「バランス能力の低下」など、様々なトラブルの原因になります。
未熟な子どもの足は繊細です。成長・発達に伴い不安定な時期でもあります。
足に合わない靴を履くことで、子どもの足は様々なトラブルに見舞われます。
ケガや病気以外にも、盛況な活動が阻害されることによって正しい発達の邪魔になってしまうことも…
そんなトラブルを抱える前に、ちゃんとした靴を見極められるパパ・ママになりましょう!
「良い靴」は自分で買える!
実際にチェックする方法を紹介!
チェックは「目視」・「触って」・「実際に履かせて」の3通りで行います。
\ 全部覚えたい6項目 /
チェック項目は全部で6カ所あります。
ここからは、それぞれの項目についてチェック方法と確認すべきポイントについてご紹介します。
つま先のチェック
- 目視チェック
- ・上から見て丸みを帯びた形になっているか
・横から見て先が高くなっているか
・横から見てつま先の方向は横もしくは斜め上方向に向いているか - 履かせてチェック(荷重状態で確認)
- ・指の真ん中部分を上から押して十分な空洞があるか
・親指の内側、小指の外側を上から押して靴の中で指が動くか
つま先の形を見る時は、上と真横から確認します。
子どもの足指は骨が十分にできていないのでグニャグニャです。
歩く時に圧迫されない形状のものを選びましょう。
上から形を確認
上から確認することは、つま先が細くなっていないかどうかです。
赤ちゃんの足は柔らかいので、地面に着くと予想以上に大きく広がります。
つま先の形状が極力丸く太いものであれば、靴の中でも足指が大きく広がりますので圧迫は避けられます。
横から形を確認
横から見時に、指先の部分が高くなっているものを選んでください。
足の指は歩行時に足指を握ったり開いたりしています。
靴の先端の高さがあることで、指の動きがスムーズになります。
歩き始めの時期は、つま先が水平方向に向いているほうが安定性が増します。
歩行スピードが上がってきたり、走ることが出来るようになってきたらつま先が少し上を向いている靴でもOKです。
上の写真で、右のものは足の付け根~前足部が固定不足のため、つま先が前下方に向かってしまっています。
この場合は、歩いている最中につま先が引っかかって転びやすくなりますので選ばないようにしましょう。
留め具のチェック
- 目視チェック
- ・マジックテープの2本タイプのものか
- 履かせてチェック(荷重状態で確認)
- ・マジックテープをしっかり締めた上から軽く押し、スキマが出来ないか確認する
留め具はパパ・ママが脱ぎ履ぎさせやすいマジックテープ式のもので問題ありません。
ただし、足をしっかり固定できるものを選ぶようにしましょう。
ベルクロが2本あるものは、それだけ固面積が大きくなるので履いた時に靴の中で足がズレにくくなりますし、子どもの足の形に合わせた固定が出来ます。
マジックテープが1本しか無い場合は、大きめのベルクロのものを選ぶようにしてください。
上手く固定がなされないと靴擦れの原因になってしまいます。
靴の高さチェック
- 目視チェック
- ・ハイカットに作られているか
- 履かせてチェック(非荷重状態で確認)
- ・足首を軽く内外に曲げて、過度に動かないもの
赤ちゃんの足関節はまだまだ未成熟です。
骨も出来上がっていませんので、不安定な状態です。
そのため、くるぶしくらいまでの高さのある靴(ハイカット)で足首の補助をしてあげると歩きやすくなります。
カカト部分(月形芯)の強度確認
- 触ってチェック
- ・カカト部分を左右から押して潰れないもの
大きい月形芯が入っていれば、左右から押しても潰れることはありません。
中・右の靴は月形芯が入っておらず、押すと簡単に潰れてしまいます。
カカトの部分の固定性が低いとカカトの骨がぐらつきやすく足首の負担になるほか、アキレス腱周囲の靴擦れの原因にもなります。
靴底の強度チェック
- 触ってチェック
- 靴底を両端から圧迫して前1/3程で曲がるもの
靴底は硬すぎても柔らかすぎてもダメです。
理想は靴前1/3で曲がるのが正解です。
この部分は足指の関節(中足趾節間関節)の部分と一致する場所で、靴底が関節直下で曲がることで、足指の動きを阻害せずスムーズな歩容をとることができます。
足首周りの生地のクッション性
- 目視&触ってチェック
- ・生地がしっかりしていて、クッション性のあるもの
最後に、足首周りのクッションを確認します。
綿入りで適度なクッション性があると、それだけ足首を固定することができます。
歩行時のカカトのズレを抑えることもできますので、生地が薄いモノより肉厚なものを選んであげてください。
子ども靴の選び方まとめ
留め具 | つま先 | 高さ | カカト | 足首 | 靴底 | |
機能 | 足と靴の固定 | 指先の保護 | 足首の固定 | 衝撃吸収 カカトの固定 | 足首の保護 足首の固定 | 衝撃吸収 足裏の保護 |
ポイント | マジックテープ | 適度な幅と高さ | ハイカット | ぐらつき の有無 | 肉厚 | 適度な硬さ |
目視チェック | 2本タイプ | 丸み 方向 | ハイカット | 垂直 | 生地の素材 | 屈曲部が前1/3 |
試着チェック | 着脱の簡便さ | 捨て寸 成長寸 | くるぶしが隠れる | 左右に歪まない | 左右に歪まない | つま先立ちで の屈曲位置 |
子どもの足は未熟で一見するとちゃんと形になっていますが、中の骨は未完成でグラグラです。
そんな子ども達が正しく歩くためにはパパ・ママが正しい靴を選んであげる必要があります。
ぜひ、正しい靴を選ぶことによって、子どもの足のトラブルから守ってあげてください。
↓理学療法士が選んだ!オススメシューズ
我が家のファーストシューズはアシックスでした
このベビーシューズは今回のチェックポイントを全て満たすシューズです。
成長段階の赤ちゃんの足にピッタリフィットして優しく保護してくれると共に、歩行の安定性を高めてくれます。
参考文献・図書・サイト
・鈴木良平:足と靴の在り方,日本義肢装具学会誌 Vol.9 No.3
・中江陽一郎:小児の歩行の発達-歩行分析システムによる検討-,脳と発達33(2001)
・細谷 聡:靴底の硬さが幼児の歩行に及ぼす影響,靴の医学Vol20 No.2(2006)
・スクコム-実は間違いだらけ?子ども靴の正しいサイズの選び方って?-