パズルは昔から多くの家庭で取り入れられている知育玩具です。
その人気は現代でも変わらず広く親しまれています。
好き嫌いはありますが、誰しも1度は遊んだ経験があるのではないでしょうか。
パズルをすると、なんだか頭が良くなりそう!
そんな想いで子供にパズルを買い与えている家庭も多いです。
チマタでは子ども達を対象にした【パズル教室】なんかも多数存在していて、教育熱心な育児ママ達の人気を集めている様です。
パズル教室とまではいきませんが、もちろん我が家でも様々な種類のパズルを親子で愉しんでいます。
子供の成長は目覚ましいもので、どんどん上達するのを見ているのも子育ての楽しさの1つです。
では、そんなパズルにはどんな効果があるのでしょうか。
一概にパズルといっても種類も豊富です。
そこで、今回はパズルそれぞれの特徴をご紹介しながらそれぞれのメリット・デメリットをお伝えします。
パズルの種類によっては伸びる能力に違いが出ることも。
子どもに期待したいパズルを選ぶことも必要。
ただし、パズルを無理強いするのはNG。
子どもの「楽しく遊びたい!」の気持ちを尊重することが最も重要。
パズルで伸びる10種類の能力
幼児期の成長は目覚ましく、その発達はどんどん段階を経て進んでいきます。
もちろん、年齢に応じて適切なおもちゃで遊ばせるのは効果的ですが、発達のも個体差があります。
一般的に目安となる年齢は表示されているものの、既に出来ているものを目安だからとやらせないのはナンセンスです。もちろん、現在できていないのにさらに難しいものをやらせるのは子どもの意欲を削ぐことに繋がりかねません。
子ども1人ひとりの能力に合った教材を選ぶのも親の立派な役目です。
そこで、まずはパズルがどんな能力を伸ばせるのかについて、期待できるメリットを把握しましょう。
巧緻動作向上(手先の器用さ)
手先(指先)の器用さは脳を活性化させる
下の図は、脳神経外科医のワイルダー・ペンフィールドが作った「ペンフィールド・マップ」と呼ばれるイラストです。
理学療法士として患者さんにリハビリをする上で必ず学ぶ知識です。
左側の青い部分が触覚や圧覚、温覚、痛覚などの感覚を感じる「感覚野」で、右側の赤い部分が体の一部分を動かす「運動野」です。
ここでポイントとなるのが、部分の手・指が大きく、広く描かれている点です。
実は、脳の中で5本の指と手の部分が占める割合は感覚野の約1/4、運動野に至っては1/3と非常に広範囲にわたります。
パズルは正しい形状になるまで自分の手で組立てるという工程を経るおもちゃです。
1つのピースを掴んだり、回したり、他のピースにはめ込んだりする事は即ち指先トレーニングです。
パズルで遊ぶということは、指先をたくさん使って脳への刺激を増やすことで活性化させるメリットがあります。
集中力・記憶力・注意力の向上
パズルの良いところはたくさんありますが、その1つとして「子どもがパズルを完成させる目標に向かって作業をする」ということが挙げられます。
初めてパズルで遊んだ時は、集中力が続かずにすぐ飽きてしまうかもしれません。
しかし、何度も諦めずに挑戦することでパズルが組み上がっていく達成感を実際に経験することで粘り強く遊べるようになっていきます。
これは即ち、集中力の継続です。
知育玩具は様々なものがありますが、集中力を継続的に伸ばしていけるものは多くはありません。
ピースが多いもの、図柄が難しいものなどを選ぶことで継続的に集中力を伸ばすことができるのもパズルの特徴とも言えます。
もちろん、集中力だけではありません。
パズルを繰り返し遊ぶことは記憶力を鍛えることもできます。
何回も「完成⇨崩す⇨完成⇨崩す」を繰り返すことで、完成後の絵柄を細部まで覚えることができますし、今手に持っているピースは絵柄のどの部分に当てはまるかという課程まで頭に入れることが出来るようになります。
また集中力と記憶力には高い関連性があり、集中力と記憶力を自然に向上させることに繋がります。
さらに、集中・記憶するためには高い注意力も必要になります。
バラバラになっているピースの1つ1つを注意し捉えます。注意力で一時的に記憶し、集中力で組み上げる。
そのため、パズルは脳機能を全般的に活性化させるのに有効です。
創造力・想像力が豊かに
パズルはピースの形や全体の絵柄をヒントに組み上げる必要があります。
遊び始めは手当たり次第トライ&エラーでピースを合わせていく状態ですが、繰り返し遊んでいくうちに完成した絵を想像しながら逆算で組めるようになってきます。
逆算して行動するには想像力が必要不可欠です。
パズルを繰り返し遊んで上達することは先ほどの集中力・記憶力・注意力に加えて想像力が向上しているということです。
観察力・推測力・論理的思考を養う
パズルを効率的に完成させる方法を模索することは論理的思考を養います。
パズルを組んでいく方法はいくつかやり方があります。
例えば「外枠から組立てる方法」「絵柄の分かりやすいものを個別に組立てる方法」などです。
もちろんパズルを組むのに正解はありませんので、子どもは繰り返し遊ぶことでコツを掴んでいくようになります。
「どのようにすれば早く組み上げられるのか」
「もっとやりやすい方法は無いのか」
これらの思考過程を論理的に考えながら模索することで論理的思考力の向上が期待できます。
知識が増える
パズルの絵柄や図面によって物事への知識を増やすことができます。
例えば、50音順のパズルであればひらがなやカタカナといった文字の学習になりますし、動物が沢山載っているパズルであればそれだけ動物の姿形と名前の学習となります。
その他にも、数・言葉・形・生活・社会などのルールなどの題材のパズルであれば題材となっている物事の知識が増える。
つまり、どんな絵柄のパズルをするかによっても知識の幅を広げることが期待できるということです。
パズルの種類
パズルといっても種類は様々です。
ここでは、パズルの種類と適応年齢、さらに各パズルの独自の効果についてご紹介します。
型はめパズル(1歳頃~)
型はめパズルの種類は立体タイプと平面タイプの2種類存在します。
立体タイプは「形合わせボックス」、平面タイプは「はめ込みパズル」と呼ばれることもあります。
型はめパズルは○、△、□、☆などの形に合わせてパーツを選び、実際に型にはめるパズルです。
パズルと聞くと、一般的にはジグソーパズルを思い浮かべるかもしれませんが、型はめパズルはより小さい子どもでも簡単に遊ぶことができる工夫がされています。
ピクチャーパズル(1歳頃~)
ピクチャーパズルはジグソーパズルと同様に平面パズルの1つです。
ピクチャーパズル台紙に外枠がついていて、台紙自体にもパズルの形がついており、ある程度ピースを置く位置が指定されているものを指します。
そのため、子どもがはじめて平面パズルをする場合にはジグソーパズルよりピクチャーパズルの方が取り組みやすいです。
ジグソーパズル(2歳~)
くもんのジグソーパズルシリーズは子どもの年齢や興味に応じた幅広いラインナップが魅力的です。
ジグソーパズルは最もスタンダードなパズルです。
ピクチャーパズルのように台紙やピースを誘導するガイドが無い分、格段に難易度が上がります。
そのぶん、先ほどご紹介したパズルで養われる能力(記憶力や思考力など)を向上させるのに役立ちます。
ピースの数も様々で子どもの能力や興味に応じて豊富なラインナップがあるのも魅力的です。
キューブパズル(2歳~)
キューブパズルとは、正六面体(サイコロの形)のパーツ6面それぞれに異なる絵が描かれていて、各ピースの絵柄を合わせるパズルです。
商品ラインナップによって数が変わるのですが、多くの場合は4または9ピースで絵柄を合わせるよう構成されています。
対象年齢は2歳~となっていますが、まだ細かいものを掴めない子どもでも楽しめるように、触ったり握ったりして遊びやすい大きさで作られているものがほとんどです。
積み木感覚で並べたり、積み重ねたりして遊んでも良し、もちろんパズルとして絵合わせをしても良しなパズルがキューブパズルです。
タングラム
タングラムとは、分割パズルと呼ばれる数理パズルの1つです。
最もスタンダードなものは、正方形×1、三角形×5、菱形×1の計7つのパーツを使ってお題となっている人物や動物、物などの形を作っていくパズルです。
答えが1つしかないピクチャーパズルやジグソーパズルと違い、タングラムはお題によって正解がいくつも存在しますので、高い知育効果が期待出来ます。
タングラムの知育効果として、特筆する点は図形感覚に強くなることです。
複数の単純なパズルの組み合わせで形を作るには、それぞれの図形の特徴を深く理解していなければお題をクリアすることは出来ません。
単純でいて奥深い。それがタングラムの世界です。
スライディングブロックパズル
スライディングブロックパズルとは、ケースの中に納められたコマを空所を利用して動かし、目的の配置にするパズルの総称です。コマを滑らすように動かす(スライドさせる)事からこの名称が付いています。別名スライドパズル。(Wikipediaより抜粋)
スライディングブロックパズルは数字を順番にならべるものや、何らかの絵柄があしらわれているいわゆるキャラクター性のあるものなど複数種類があります。
その他の子ども向けパズル
● 絵合わせパズル
絵合わせパズルは数字とドットをパズル形式で合わせる算数教材です。
正確に対応出来れば板の切り込みがピタッと合う仕組みです。
このパズルの特徴は、数字の概念と数量を同定させるのに役立ちます。
組み合わせを試行錯誤しながら組み上げていくので、自己訂正を可能にすることにも役立ちます。
数字に強くしたいならオススメのパズルです。
● 文字パズル
文字パズルはなかなかイメージしづらいですが、「クロスワード」や「スケルトン」と聞けばお分かりになる方も多いのではないでしょうか。
文字パズルの特徴は、なんといってもパズル感覚で楽しみながら文字や言葉の習得ができる点です。
「ことば」を伸ばして国語能力(語彙力)を増やすにはもってこいのパズルです。
年齢別!パズルの選び方
ここでは、年齢別にオススメのパズルをご紹介します。
あくまで目安ですので、子供の能力に合わせて難易度を調整してください。
初めてパズルに触る場合は、「ちょっと簡単過ぎるかな?」というくらいがちょうど良い温度です。
最初から知育教育!と気負わずに子供の楽しい!を伸ばすくらいでトライしてみてください。
年齢の目安 | パズルの種類 |
1歳前後~ | 型はめパズル |
1歳過ぎ~ | ピクチャーパズル |
2歳~ | キューブパズル,ジグソーパズル, 絵合わせパズル |
3歳~ | ジグソーパズル,絵合わせパズル, タングラム,スライドパズル |
4歳~ | ジグソーパズル,タングラム, スライドパズル,文字パズル(クロスワード) |
パズルのピース数や絵柄の複雑さによって難易度は変わりますので、子どもの興味・能力に応じて選択するようにしましょう。
嫌いにならないパズルの遊び方
子供の興味・関心を尊重する
パスルには多くの種類のパスルが販売されています。
それぞれのパズルには難易度が異なり、子どもの成長や能力に併せて選ぶようにしたいものです。
子どもにとって、難易度が高すぎるとパズルをすること自体を嫌がるようになってしまいますから、選択は慎重に。
初めてパズルに触れさせる場合のポイントとしては、対象年齢を参考にしましょう。さらに興味を引き付けるためには、子どもの好きな絵柄のものを選ぶことも重要です。
親がパズルを買い与える時に考えるのは「知育効果」に注視しがちですが、子どもはそんなことはお構い無しです。
自分が楽しければ遊ぶ。つまらないと感じたら全く興味を示しません。
普段から子どもの興味・関心にアンテナを立てて喜びそうなものを選ぶようにすれば、間違いはないでしょう。
無理強いはしない
子どもは興味の無いことを無理にさせられることを極端に嫌がります。
一度でも「パズル=イヤなこと」と覚えると、そうそうやろうとはしなくなります。
仮に無理強いしてパズルで遊んだとしても、イヤイヤやることでは子どもの能力は伸びません。
子どもが楽しくパズルで遊ぶことで初めて知育効果が期待出来るようになります。
そのため、パズルは子どもが自分から「これで遊んでみたい!」と思えるように上手に誘導してあげる心配りが必要です。
出来たら大げさに褒める
子どもはパパ・ママに褒められるのが大好きです。
最初は上手く作れなくても大丈夫です。1つ合わせれば大げさに褒めてあげる姿勢を見せることがパズル上達の秘訣です。
子どもは「パズルをする⇨褒められる⇨嬉しい」と感じれば、パズルを積極的に挑戦するようになります。
子どもの積極性を伸ばすきっかけにもなりますので、パズルが完成するたびに親が喜ぶ姿を見せてあげてください。
他にも「親子でチャレンジすること」も効果的です。
親と何かをする、パズルをすると親が構ってくれるようになると認識すれば、子どもはパズルが大好きになることでしょう。
実際に我が家ではこの方法でパズルが大好きな子になってくれています。
(パパが休みの日に、起きがけ開口1番に「パズルしたいよ」と言ってくれるようになりました。)
【まとめ】子供向けパズルは幼児期から始めたい!
パズルを育児で取り入れることで伸びる効果
- 巧緻動作(指先の器用さ)
- 集中力・記憶力・注意力
- 創造力・想像力
- 観察力・推測力・論理的思考力
- 単純な知識の増加
上記の能力以外にも、パズルの種類によっては図形感覚・数字に強くなる・国語能力(語彙力)の向上なども期待できます。
子どもの伸ばしたい能力があれば、そのパズルを選ぶのも1つの方法です。
ただし、「能力向上に役立つから」と子どもにパズルを強要するのは絶対NGです。
子どもの「楽しく遊びたい!」「パズルをすることが嬉しい!」という感覚が結果として様々な能力を引き出します。