子どもは親が気付かないうちに、どんどんと成長していきます。
ついこの前までヨチヨチ歩いていたのに、急に走れるようになったり、
単語しか喋れなかったのに、いつの間にかちゃんと自分の意思表示ができるようになったり。
ひらがな50音表を見て少しずつ読めるようになってきています。
そんな我が家のおチビを観察していて、
- ひらがなっていつ書けるようになるの?
- 積極的に教えた方がいいの?
こんな疑問が出てきたので調べてみました。
結論
5歳ごろに書けるようになる
書字率の月齢発達の経過は、4歳台の後半で1/4、5歳台の後半で半分、そして6歳台の後半で3/4の文字が書けるようになると言えます。
上の表を見る限り、46文字の範囲よりも71文字の範囲の方が平均書字数の割合が小さいことから、
習得の速度は【清音・撥音>濁音・半濁音】の順で習得に差があることが分かります。
これは、ひらがなの特性上読み・書き共に同じ様な習得傾向にあることがわかります。
家庭での教育が必要
書字能力は自覚的に行わなければ習得できません。
特に、ひらがなには「筆順(書き順)」というものがあり、記号としての認識だけでは言葉として使う上で不足です。
つまり、幼児のひらがな書字習得には親の関与が必須だということです。
ひらがな書字の習得が、早まっている
3歳~5歳までの幼児を対象とした調査では、年々「書き」の習得率が早まっていることが分かっています。
この成績向上の背景には、2つの社会的要因があります
文字環境の整備
低月齢の時期から文字に囲まれた生活を送っている
近年「知育玩具」の人気が加熱しています。
知育玩具の種類も豊富で、リトミックなどの体を動かすリズム遊びや日本語学習教材など、子どもが社会で必要と思われるもののほとんどが知育玩具として販売されています。
小さい頃から知育玩具に慣れ親しむことで、文字に対する親和性が高まっていることが習得能力向上に関与していることが示唆されています。
強制的な教え込み
現在の日本は少子化が進んでいます。
核家族化や一人っ子の世帯も多くなっている印象です。
つまり、子ども1人にあたる親やその両親を含めた期待の高まりによって、教育費などの費用が集中するため、知育玩具に人気が集まっているのではないかと思います。
幼少期からの英語学習は最たるモノではないでしょうか。
(別に知育教材全般を否定しているわけではありません。)
そのような強制的な教え込みを背景に、子ども達のひらがな習得の早熟に繋がっています。
ひらがな書字能力に関する研究
性差との比較
一般的に「女の子の方が男の子と比べて成長が早い」と言われますが、ひらがな書字能力についても当てはまります。
3~5歳のどの年齢を比較しても書ける文字数は女子>男子となっています。
一方で成長するに従ってほとんどの子どもがひらがなを書けるようになりますので、男女差は成長と共に減少するという結果になっています。
習い事の種類との比較
習い事の種類によって書字能力に違いがあるかの比較をしたデータがあります。
習い事にも色々な種類がありますが、ここでは大きく分けて
- 芸術系・運動系
- 学習系
に分けて、「習い事をしていない」子どもとの比較調査しています。
結果は習い事なしより、習い事ありの子どもの方が成績が高いことが分かっています。
芸術、運動系と学習系の習い事には大きな違いはみられませんでした。
教育費との比較
子どもにかける1ヶ月の教育費別で分けた書字能力を比較した研究があります。
①5000円未満
②5000円~2万円
③2万円~5万円
④5万円以上
結果は、4歳時点では成績に大きく差が出るものの、5歳児時点では教育投資額の影響は無くなるとの結論がでています。
我が家では、こどもチャレンジを中心に適宜知育グッズや本を買い与えていますので、だいたい月5000~2万円のグループです。
(月5万円も子どもの教育費に掛けられる家庭って…)
でも、5歳児時点での違いが無いという結果には勇気づけられます←
ひらがなを書けるようになる時期は?習い事をさせたほうが良いの?まとめ
今回は「ひらがなを書く」ことにフォーカスして調べてみました。
現在の子育て環境は、昔と比較して知育玩具などのおもちゃ1つ1つが凄く進化しています。
子どもの成長発達に沿って作られているおもちゃには目を見張るものがあります。
最近の子育て事情では、小さい頃から習い事に通わせる家庭も珍しくありません。
育児教育分野の業界も盛んな印象を受けます。
それらのこともあって、子どものひらがなを書く能力が向上し、結果的に習得時の低年齢化が進んでいる、という結果でした。
ただし、書字能力に差が見られるのは3~4歳時点のことであって、5歳以降には大差がないという結論でした。
その事実を踏まえた上で、我が家では早い段階から無理に教え込む教育はしない方針にしています。
もちろん、現在の子どものレベルと興味の幅を見据えて必要最低限の知育玩具は用意する予定ですが、親が積極的に誘導して学習させる必要は無いと判断した結果です。
もちろん、言語を覚えることはこれからの社会生活には必須です。
しかし、それよりもまず「自分の興味・関心をもち、それを深める能力」「自分で楽しみを見つける能力」などの、心と体を豊かに育むことが先決だと思っています。
知識は後でいくらでもついてくるという事実を踏まえた上での判断です。
この記事がもし、誰か教育の参考になれば幸いです。
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参考文献・図書・サイト
・島村直己:幼児のひらがなの習得-国立国語研究の1967年の調査と比較して-,教育心理学研究第42巻第1号(1994)
・国立国語研究所:幼児の読み書き能力,国立国語研究所報告;45